英国発祥の「クイズ$ミリオネア」のインド版である。スラム出身で教育も受けてない青年ジャマルが、クイズ番組に出演し、一夜にして大富豪になるチャンスを得る。ところが不正を疑われて、ほぼ拷問の取り調べを受ける。
彼が番組に出演したのは、愛する女性に会いたかったから。そして、クイズの答えは全て彼の人生の中に答えがあったから。それは運命だったのだ。
当時まだ18歳のデヴ・パテルが、スラム出身の青年を演じる。そこは英国人が見るところのインドなのかもしれないが、印象に残る風景がたくさん映る。ジャマルの子役を含め、生き生きした街の様子をたくさん見ることが出来る。クイズ番組の映像と、フラッシュバックする過去の映像が交互に映し出される。そしてインドの暗闇かも知れない部分を描き出していく。
これはすごい映画である。もう少しチャラい感じの賭博物を予想していたが、全く違った。第33回トロント国際映画祭観客賞、第66回ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)、第62回英国アカデミー賞作品賞受賞。第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門を受賞している。クイズの進行とともに進む謎ときにハラハラする。
感動した。