様々な理由で、英国からインドに来た登場人物たち。そのバックグラウンドが重要だったりするので、面倒であるが、まずは紹介する。
ホテルの宿泊客
イヴリン・グリーンスレイド(ジュディ・デンチ)
40年間連れ添った夫を亡くしたばかりの未亡人の老女。
ダグラス・エインズリー(ビル・ナイ)
老後の予算の都合で仕方なく妻ジーンとインドにやって来る。
ジーン・エインズリー(ペネロープ・ウィルトン)
ダグラスの妻。いつも文句ばかり言っている悲観的な性格。
ミュリエル・ドネリー(マギー・スミス)
人種差別主義者の老女。人工股関節置換手術を受けるために、インドに来る。
グレアム・ダッシュウッド(トム・ウィルキンソン)
高等法院の判事。大学進学前の18年間を過ごしたインドに行くことを決める。
マッジ・ハードキャッスル(セリア・イムリー)
結婚・離婚を繰り返している恋多き女性。「金持ちの夫」を探し続ける。
ノーマン・カズンズ(ロナルド・ピックアップ)
女たらしの老人。「最後のロマンス」を求めてインドにやって来る。
ホテルのスタッフ
ソニー・カプール(デヴ・パテル)
ホテルの支配人。
スナイナ(ティナ・デサイ)
ソニーの恋人。
英国人が見た、ステレオタイプなインドの描き方かもしれず、それは承知の上で見ることにする。しかし、渡航先のインドでカルチャーショックを受けながら、徐々に順応していく彼らの様子が面白い。英国では解決できなかったであろう問題が、インドに渡ってきて解けてゆく。それは見る人にも喜びをもたらす。
登場人物はみな個性的である。全部説明するのは大変なので、二名だけ紹介する。まずは、ダグラス=ビル・ナイ。この人の醸し出す大人で達観した雰囲気は、本人の個性なのか。彼の挙動には「いい、いい」と、いちいち賛成したくなる。
そして、グレアム=トム・ウイルキンソン。彼はインドに友人を探しに来るのだが、彼はゲイで、友人は18年前に愛した男性だったのだ。二人は再会するのだが、グレアムはその後急死してしまう。そして愛した友人の手によって葬られるのである。感動である。
大好きな、デヴ・パテル目当てで見たのだが、全てが素晴らしく、生きる元気がもらえる映画である。行動せずに止まることなく、まず試すことによって色々解決するじゃないかと、それに気づかされる映画である。