
アメリカの片田舎に暮らす、ラース。とても心優しい青年で、あまりにもシャイなので人づきあいが苦手だった。田舎のコミュニティなので「あんたイイ子がいたら付き合いなさいよ」的な、お節介な言葉をかける人が多くいる。ラースには兄のガズがいる。そしてガズの妻・カリンも、大いにラースのことを気にかけているひとりであった。
ある日ラースは「彼女ができた」と、ガズとカリンに紹介するのだが、それは等身大のリアルドールだったのだ。彼女の名前はビアンカ。解剖学的に人体と同じという機能付き。ラースは、その「機能」は使ってないのだけど。ガズとカリンは「ビアンカの診察のため」と理由をつけて、バーマン医師のもとを訪れる。バーマン医師は「ビアンカの治療のため」と理由をつけて、ラースの様子を観察するのであった。
街の人たちは驚きながらも、ビアンカを受け入れていく。病院や教会や洋服店で、ビアンカは職と役目を得て行く。この街の人たちが優しくて、優しくて。本当は街の人たちに愛されているのはラースなんだけど、彼はそれに気づかない。




バーマン医師は気づく。でも急がない。否定しない。そう、ビアンカを生み出したのも、その生涯を閉じたのも、実はラース本人だったのだ。バーマン医師の気づきと共に、自覚ないままラースは成長してゆく。葛藤しながら背負っていた何かを乗り越えていく、ラースの姿を見てほしい。これはコメディじゃない。感動いっぱい。
こんな役もやるんだなと、ライアン・ゴズリングに感心する映画。冴えない風貌でも妙に女性に救われる役どころ。役者ってすごいって、改めて感じさせる映画です。