
全編にわたり彩度の低い暗い映像が続く。時代と不穏な空気を表すために、それは効果的である。韓国人と日本人は、生物学的にほぼ同じDNAをもつというが、表現方法が全く違う。日本人には撮れない映画だ。刃物を使う接近戦で雪景色が血に染まる。そして「日本人が悪い」と、とても簡潔なメッセージがある。
初代・内閣総理大臣であった伊藤博文は、1909年(明治42年)10月26日、ハルビン駅で暗殺された。大韓帝国の安重根による犯行であった。その史実を描いた作品である。


韓国の俳優さんは、上手な日本語を使う。伊藤博文の側近を演じる俳優さんも韓国人であるが、とてもきれいな日本語を使っていた。それは多分、日本人でなければ聞き分けられないようなレベルの日本語だ。そうは言っても、伊藤博文の役をリリー・フランキーが演じたことは重要なことで、日本で公開するには必須の起用であったと思う。
韓国映画を見に行くとき、気を付けてほしいことがある。時代もの、スパイものなどでは、悪役に日本人が出てくることが多い(しかも分かりやすい悪役として)。それを不愉快に感じる人がいるかもしれない。それを承知であえて見るか、嫌だから見ないという選択をするか、それは見る人が決めてほしい。
自分は「見る」を選択する。