『入国審査』Upon Entry

移民ビザを持ってスペインからアメリカ合衆国を訪れたカップル。しかし入国できない。別室に連れて行かれ、延々と尋問を受ける。入国理由を疑われているのだ。プライベートを暴かれ、スマホとノートPCの内容をコピーされ、挙句の果てに二人は別々に離されて個別に尋問を受ける。米国の移民ビザに当選した女性を、男性が利用しているという疑いである。



登場人物は、米国に入国しようとするカップルと入国審査官のみ。尋問は閉ざされた部屋の中で、おそらく舞台セットも最小限と思われる。それが恐ろしい。入国審査は厳しいものだと、真剣に訴えかける映画である。舞台はニューヨークの空港。審査官は英語で話す・・・と思いきや、スペイン語もできる審査官で、二人のひそひそ話も内緒にはできない。

この映画は、ベネズエラ出身の監督2名の実体験に基づく。現在はスペインの市民権をもつ両監督だが、ベネズエラのパスポートで渡航していたころは入国審査で度々尋問されたそうだ。「パスポートが違うだけで、同じ人間とは思えないくらいの扱いを受けた。入国か退去かわからぬままに恐怖心をあおるシステムだ。人間として傷つけられた」とロハス監督。
世界最強と言われるパスポートを待ち、多くの国にビザなしで入国できる日本人には理解できないだろう。そんなに恵まれているのに、そもそもパスポート所持率が17%しかなく、怖いから面倒くさいからと出て行かない日本人。そりゃあ悪人も少なそうだから放っておいてもらえてるのだが、それさえ気づいてないのではないか、日本人。この映画のメッセージを理解できる人間でありたい。
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監督インタビュー www.youtube.com