
舞台はクアラルンプール・プドゥ市場の旧市街。身分証を持たないアバンとアディは、定職に就くことができず、銀行口座を持つことができず、公共の福祉を受けることができない。血縁関係がなく街で出会った二人であったが、兄弟として身を寄せ合いながら生き延びてきた。
兄のアバンは生まれつき聴覚障害がある。しかし安定した生活を望み、勤勉に働いてきた。弟のアディはヤンチャで、不正な仕事にも手を染めていた。そんな中、弟アディの実父の存在の可能性が持ち上がった。実父が分かれば身分証を得られるかもしれないのだ。ソーシャルワーカーのジアエンは、二人を助けるために働くのだが、その親切が事故を招いてしまう。




アディが起こしたソーシャルワーカーとの事故であったが、アバンはその責を負うことにしたのだ。弟アディの社会復帰を祈り、自分の運命はそのためと受け入れたのだ。
映画は、2023年12月1日に台湾で封切られた後、香港、マカオ、マレーシア、シンガポール、タイ、中国で大ヒットし、イタリアでも上映された。日本での上映は2025年1月であった。
筆者は、ベトナムかフィリピンからの帰国便で鑑賞した。何故かどちらだったか思い出せない。マレーシアからの帰国便はLCCで映画上映がなかったので除外。飛行機の中なので軽く見られればと思い予備知識なく見始めたのだが、大いに感動して飛行機の中で泣く羽目に。機内の視聴は字幕を追いきれなくなると諦めて見るのを止めるのだが、この映画はそれどころではなかった。確か英語と中国語繁体の字幕を交互に見ながら、最後まで必死にストーリーを追ったのだ。
あまりに悲しすぎる結末。ぜったい見てほしい。