『イル・ポスティーノ』il postino

アクションシーンもない、特撮もない、ただひたすら丁寧に風景と役者の表情を切り取ってゆく。イタリアの作品にこんな抒情詩のような映画が多いような気がするのは、気のせいか。感情の中に侵入してくる見事な描写である。

チリの偉大な詩人、パブロは、その政治的な背景から故郷を追われ、イタリア・ナポリ湾の小島に移住してきた。パブロには毎日のように世界中から手紙が届き、島の小さな郵便局では配達できない。そこで急きょ郵便配達員になったマリオは、日々パブロ宅への配達を続け、次第に親しくなってゆく。

イタリア、サン・ジョルジョ・ア・クレマーノ出身。

フランス・リール出身
ある日、マリオは立ち寄ったパブでベアトリーチェに出会い、一目惚れする。パブロから習った詩の隠喩を一生懸命に駆使し、ベアトリーチェの気持ちを射止めることができた。幸せな結婚式から時が流れ、事態は変化してゆく。

イタリア・メッシーナ出身
詩のような、ストーリー、景色、表情。英語で The Postman にするとイメージから離れてしまう。。。マリオの揺れる心に一緒に入り込めます。素敵です、本当に素敵です。
マリオを演じた、マッシモ・トロイージは、心臓に深刻な病気を抱えていたのだそうだ。しかし治療より撮影を優先し、4か月の期間を過ごした。そして撮影終了の12時間後に、心臓発作で亡くなったそうである。エンドクレジットで「マッシモに捧ぐ」と表示されるのはそのためである。30年以上前の作品だが、観る人がみな、心揺さぶられるのは間違いない。