violet7688映画のこと

時々映画のこと

『ブリキの太鼓』The Tin Drum

1979年 142分 西ドイツ・フランス合作 原題:Die Blechtrommel

心地よい映画、ではない。1920~40年代の激動のポーランドが舞台。ナチスの台頭によって町の平和が脅かされる中、物語は進んでいく。

オスカルは自らの意思により三歳で成長を止めた。醜悪な大人の世界を拒否したのである。彼の叫び声にはある周波数の超音波が含まれていた。声でガラスを割る特技を身に着けたのである。オスカルの父親はアルフレートの筈である、戸籍上は。しかし母のアグネスは従兄弟のヤンとの情事を止められず、DNA上はオスカルの父親はヤンの可能性が濃厚だ。マリアは、アルフレートの家に住み込みで働く少女である。マリアはアルフレートの子供を身ごもるのだが、こちらはオスカルの子である可能性をはらむ。

非常に直接的な性表現があり、児童ポルノとして各国で議論が起こった。撮影当時12歳であったオスカルが、相当濃厚で意味深な場面を演じたこともあり、上映禁止となった国もある。

情事ばかりが主体となる映画ではない。戦争に巻き込まれ、オスカルの親族は次々と命を落としてしまう。最後ひとりで精神病院に幽閉されたオスカルの「語り」として映画はナレーションされるのだ。

デビッド・ベネント David Bennent Bennent
9 September 1966-  Lausanne, Switzerland
主人公オスカルを演じる

デビッド・ベネント 設定三歳、撮影当時実年齢12歳のオスカルを演じた

アンジェラ・ウィンクラー Angela Winkler
22 January 1944-  Templin, Germany
母親のアグネスを演じた

マリオ・アドルフ Mario Adorf Adorf
8 September 1930-  Zürich, Switzerland
父親のアルフレートを演じた

カタリーナ・タールバッハ Katharina Thalbach
19 January 1954- East Berlin, East Germany
マリアを演じた

ダニエル・オルブリチスキー Daniel Olbrychski Obrychski
27 February 1945-  Łowicz, Poland
アグネスの情交相手、従兄弟のヤンを演じた

これを書いているのが2024年、45年前の映画だ。もしかしたら今では描けないことを描いていたのかもしれない。やや長め142分の映画だが、落ち着けない気持ちのまま一気に見てしまった。

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