violet7688映画のこと

時々映画のこと

『ブルックリンでオペラを』She Came to Me

2023年製作/102分/アメリカ合衆国  原題:She Came to Me

舞台はブルックリン。対岸にマンハッタンを望むニューヨークの街。精神科医のパトリシア(妻)と、現代オペラ作曲家のスティーブン(夫)。ジュリアンはパトリシアの連れ子で18歳。ジュリアンの彼女はテレザ16歳。ともに学び研究成果を発表する優秀な学生である。

さて創作活動に行き詰ったスティーブンは、ある日愛犬を連れて散歩に出る。バーで出会ったカトリーナ曳舟の船長だった。カトリーナの船を訪ねたスティーブンは、さてどうなるのか?

カトリーナの生き方にインスパイアされたスティーブンは、新曲を書きあげ舞台は大成功する。一方でジュリアンとテレザは、テレザの父親に壊されそうになる。二人は16歳でも結婚できるヴァージニア州に向けてニューヨークを脱出する。そしてその脱出を手引きしたのは?結婚のために大活躍したのは?

ピーター・ディンクレイジ Peter Dinklage
1969年6月11日- アメリカ合衆国ニュージャージー州出身
作曲家スティーブン役

アン・ハサウェイ Anne Jacqueline Hathaway
1982年11月12日- ニューヨーク市ブルックリン出身
精神科医パトリシア役

マリサ・トメイ Marisa Tomei
1964年12月4日- ニューヨーク市ブルックリン出身
船長カトリーナ

エヴァン・エリソン Evan Ellison
ジュリアン役

ハーロウ・ジェーン Harlow Olivia Calliope Jane
 February 20, 2003-
テレザ役

色んな愛が交差するラブコメディ。それぞれの愛は最期に成就する。感動はテンポよく進む。米国人はこんな話が好きなのかな。たくさんのエピソードを上手に100分に収めたところが心地よい。監督レベッカ・ミラーRebecca Millerの趣味なのか手腕なのか。とても後味の良い映画です。

舞台「TIME」

カテゴリが舞台なんですが、素晴らしいものを見たから伝えたい。

「TIME」 田中泯 坂本龍一 高谷史郎 宮田まゆみ

2024年3月28日(木)より東京・新国立劇場、2024年4月27日(土)より京都・ロームシアター京都にて上演。今回は東京公演を見に行きました。

新国立劇場 渋谷区本町1-1-1 Tokyo

坂本龍一の音楽は「戦場のメリークリスマス」「ラストエンペラー」など、聞いた瞬間わーすごいと揺さぶられるものがある。一方で、天才の脳内の電気信号を聞くような難解なものがある。なぜこのタイミングでこの音が?と、凡人には分からないのだ。「TIME」は、この難しい方のカテゴリーなのではないかと予想していたら、やはりそうだった。心地よいが難しい。でも観衆は理解できる自分になりたいから、大変な努力をして聴く。そして理解できたふるまいをしようともがく。客席は満席だった。

水を多用した画期的な舞台だ。本当に水を使っている。どうやって降らせるの?どうやって排水するの?防水はどうするの?芸術の前に、素人の発想は余りに現実的だ。それにしても鏡のような水面、波立つ水面、そして背後の見事なスクリーンアート。没入。

田中泯 1945年3月10日- 東京都出身

坂本龍一 1952年1月17日-2023年3月28日(71歳没)東京都世田谷区出身

個人的には、夏目漱石夢十夜」がモチーフ(というよりストーリーの主軸)になっていたことに感動した。女が「もう死にます」と言う。「もう死ぬのかね」と問う。「ええ死にますとも」と答える。・・・本の中で読んだ文字は、こんな音になるのか。「百年はもう来ていたんだな」・・・ああ、誰もが逃れることのできない「時間」。

音・ダンス・映像・文学、ジャンルが違うと思われがちなアートが一体となった。

「TIME」公式HPより

どんなに先だと思っても、必ずその時は来て過ぎて行く。動かせない現実がある。数か月先に予約した旅行は、いつか出発の日が来て、帰宅の日が来る。それと同じように、自分で動けなくなる日は必ず来て、自分の命が終わる日も必ず来て、そして過ぎて行く。多分それ以降、自分は無くなるのだ。生物としての機能が止まり、脳内の電気信号が止まり、一生命体としての自分は終わるのだ。生きた証は遺せても、自分を認識できる自分自身は無くなるのだ。

If you do not refuse it, everything goes happy. あなたがそれを拒否しなければ、全てはうまく行く。今できることを先延ばしせず、一生懸命生きる。

youtu.be

 

『ARGYLLE/アーガイル』

2024  英国/アメリカ合衆国 139分

内気な作家エリーは、スパイ小説『アーガイル』シリーズが大ヒット。第五作がほぼ完成している。エリーの作品は非常にリアリティがあり、小説が現実になりそうなくらいである。そのため、もしや予言者?とも言われるエリーであったが、なぜか小説から抜け出たような組織から狙われ始めてしまう。列車の中で出会ったエイダンとは誰なのか。エリーのパパとママの正体は?そしてエリー本人はどこから来たのか?

ブライス・ダラス・ハワード Bryce Dallas Howard
1981年3月2日-  Los Angeles, California, U.S.
小説家エリーを演じる

サム・ロックウェル Sam Rockwell 1968年11月5日- 米国カリフォルニア

エイダンを演じる。エリーを見守る彼の視線の優しさよ。

ヘンリー・カヴィル Henry William Dalgliesh Cavill
1983年5月5日- イギリス出身
角刈りにマオカラーのアーガイルを演じる。スーパーマンを演じたことも。

大分ぽっちゃりなエリーと、渋めエイダンの組み合わせが面白い。からくりは何重にも伏線があり、小説の謎解きがストーリーの基本。途中声を出してあははと笑える場所あり、思わずほろっと来る場所あり、これは楽しい映画だ。欧州各地の風景を楽しむことが出来る。続編が制作される情報も。元気が出ます!

www.youtube.com

 

『ブリキの太鼓』The Tin Drum

1979年 142分 西ドイツ・フランス合作 原題:Die Blechtrommel

心地よい映画、ではない。1920~40年代の激動のポーランドが舞台。ナチスの台頭によって町の平和が脅かされる中、物語は進んでいく。

オスカルは自らの意思により三歳で成長を止めた。醜悪な大人の世界を拒否したのである。彼の叫び声にはある周波数の超音波が含まれていた。声でガラスを割る特技を身に着けたのである。オスカルの父親はアルフレートの筈である、戸籍上は。しかし母のアグネスは従兄弟のヤンとの情事を止められず、DNA上はオスカルの父親はヤンの可能性が濃厚だ。マリアは、アルフレートの家に住み込みで働く少女である。マリアはアルフレートの子供を身ごもるのだが、こちらはオスカルの子である可能性をはらむ。

非常に直接的な性表現があり、児童ポルノとして各国で議論が起こった。撮影当時12歳であったオスカルが、相当濃厚で意味深な場面を演じたこともあり、上映禁止となった国もある。

情事ばかりが主体となる映画ではない。戦争に巻き込まれ、オスカルの親族は次々と命を落としてしまう。最後ひとりで精神病院に幽閉されたオスカルの「語り」として映画はナレーションされるのだ。

デビッド・ベネント David Bennent Bennent
9 September 1966-  Lausanne, Switzerland
主人公オスカルを演じる

デビッド・ベネント 設定三歳、撮影当時実年齢12歳のオスカルを演じた

アンジェラ・ウィンクラー Angela Winkler
22 January 1944-  Templin, Germany
母親のアグネスを演じた

マリオ・アドルフ Mario Adorf Adorf
8 September 1930-  Zürich, Switzerland
父親のアルフレートを演じた

カタリーナ・タールバッハ Katharina Thalbach
19 January 1954- East Berlin, East Germany
マリアを演じた

ダニエル・オルブリチスキー Daniel Olbrychski Obrychski
27 February 1945-  Łowicz, Poland
アグネスの情交相手、従兄弟のヤンを演じた

これを書いているのが2024年、45年前の映画だ。もしかしたら今では描けないことを描いていたのかもしれない。やや長め142分の映画だが、落ち着けない気持ちのまま一気に見てしまった。

www.youtube.com

『不思議の国の数学者』이상한 나라의 수학자 In Our Prime

2022年 117分 韓国

舞台はトンフン高等学校、上位1%の優秀な生徒が集まる名門私立高校である。学問の自由を求めて脱北した天才数学者ハクソンは、ここで夜勤の警備員として働いていた。一方で、数学の成績が振るわず転校を勧められている学生のジウは、挫折寸前であった。

ジウは、ここの高校で成績が冴えないとは言っても、元々は優秀な生徒である。謎の警備員ハクソンと出会い、夜の個人指導を受けるうちに数学の美しさに気づく。そして成績を上げてゆくのである。黒板にびっしり書かれた数式の美しさよ!(自分はこれを部屋の壁紙にしたい)

あるとき校内の試験で不正が行われた。試験問題が事前に外部に流出したのである。実はこの件に関わったのは、高校の担任の数学教師であった。しかしこの教師は事実を隠蔽するためにジウを犯人に仕立て上げ、証拠隠滅のためジウを転校に追い詰めていく。この過程は韓国映画の怖いところ。

チェ・ミンシク Choi Min-sik 최민식
January 22, 1962- South Korea
謎の夜勤警備員、実は脱北した天才数学者

キム・ドンフィ Kim Dong-hwi 김동휘
December 26, 1995-  South Korea
挫折しそうな学生ジウを演じる。実は律義に約束を守る正直者。

パク・ビョンウン Park Byung-eun 박병은
July 14, 1977- Seoul, South Korea
高校の担任、数学教師。端正な表情でジウを追い詰めつところは怖い。韓国映画の神髄。

チョ・ユンソ Jo Yun-seo 조윤서
January 4, 1993- South Korea
実はジウに想いを寄せる、ボラム。韓国女性のハッキリして強いところを体現していると思う。

数学の美しさを韓国で描いた映画。そして「北」を交える韓国の特徴ある表現。これは素晴らしい映画です。DNA的に韓国人と日本人は殆ど同じ。でも表現が異なる。近いからこそ、その違いを理解できるのか。

www.youtube.com

数学をテーマにした映画「Super30(インド)」「奇跡がくれた数式(英国)」「博士の愛した数式(日本)」などもお勧めです。国によって表現が違う、そこも興味深く見ることが出来ます。過去ブログあり。

『博士の愛した数式』

2006年 日本映画 117分

登場人物は『私』『博士』『ルート』『未亡人』。

家政婦として働く『私』は、数学の『博士』の家で働くことになる。博士は事故の後遺症で記憶が80分しか続かないのであった。私には10歳の息子がいた。息子は博士によって『ルート』と名付けられた。賢い気持ちがたくさん詰まっていて、何でも包み込むルート(平方根)である。博士は離れに住んでいた。母屋には博士の義姉『未亡人』が住んでいた。

優しい私と、素直なルート。そしてルートの人格を認め、ひとりの人間として接する博士。謎に辛く当たる未亡人の行動の理由は?

脂が抜けた初老男性を演じる寺尾聰の醸し出す空気感に尽きる。そして素直に成長する子役のルートが良い。10歳のルートは齋藤隆成が演じていて、成人したルートは吉岡秀隆が演じている。10歳のルートは「北の国から」の純(吉岡秀隆)を彷彿させるのだ。演出もあるかもしれないが。

『博士』を演じる、寺尾聰 1947年5月18日 -

『私』を演じる、深津絵里 1973年1月11日 ‐

成人した『ルート』を演じる、吉岡秀隆 1970年8月12日 -

10歳の『ルート』を演じる、齋藤隆成 1996年12月18日-

『未亡人』を演じる、浅丘ルリ子 1940年7月2日 -

数式をテーマにした映画ではあるが内容はヒューマンドラマで、難解な数式よりも、人間関係を比喩的に説明するための数式が用いられている。数学苦手も関係なく楽しめます。

youtu.be

『ホンダ・プレリュード』1987 HONDA PRELUDE Ad La Melodie en Sous-Sol 4 映画のようなCM

ホンダ プレリュード 3代目 BA4/5/7型(1987-1991年)

youtu.be

映画のようなCM。ナンパ車の最高傑作として一世風靡した「ホンダ・プレリュード」。CMに海外ロケを多用し、とてもお金をかけていたことがうかがえる。ナンパ車としての機能も充実していた(運転席側から助手席のシートを倒せたのは有名な話)。特筆の機能は4WS(四輪操舵)かと思う。回転半径が小さくなり、内輪差も抑制できる。狭い車庫入れがビシッと決まる実用性もあったのだ。

global.

そして4WSはエロい。金属の塊がエロい?そう、その挙動はまさにエロい。こちらの映画のようなCMがそれを表しているぞ。

youtu.be

 

『青いパパイヤの香り』Mùi đu đủ xanh / L'ODEUR DE LA PAPAYE VERTE / The Scent of Green Papaya

1993年 フランス/ベトナム 104分 

1951年のベトナムサイゴン。裕福な家に使用人として雇われたムイは、そのとき10歳の少女だった。家の人は夫婦と三人の息子、そして夭逝した一人娘トー。トーは生きていればムイと同じ年齢の筈だった。ある日、一家の長男の友人クェンが家を訪ねてきた。ムイはクェンにほのかな恋心を持った。

使用人として一生懸命働き、10年が過ぎたころ、ムイは暇を出されてしまう。一家の母は、亡き娘トーのために用意していたドレスと宝石を、ムイに渡すのであった。ムイは、あこがれていたクェンの家に雇われることになった。そしてクェンの愛を受けることになり幸せに暮らすのだ。その様子には、本当の愛を感じる。

トラン・アン・ユン監督 Trần Anh Hùng
1962年12月23日- ベトナム・ダナン出身 フランス国籍

トラン・ヌー・イェン・ケー Trần Nữ Yên Khê
1973年ベトナム・ダナン出身
主演、大人になったムイを演じる。

マン・サン・ルー Lu Man San
1980年12月21日- フランス出身
10歳のムイを演じる。

全編にわたり、覗き見のような隠し撮りのようなカメラワークで撮影され、その臨場感がすごい。本当に家族の生活をこっそり見ているような気持になる。木や窓枠で「あ、見えなくなった」「こっち来たら見えた」のような、あのちょっと罪悪感を伴う盗み見の感覚。性的な場面は全く出てこないのに、とんでもなくエロい。

撮影は、パリ郊外に作られたセットで行われた。精巧に作りこまれた建物や道具類は、まさにベトナムの街の中に迷い込んだ印象を与える。また出演者には、当時フランスに在住していたベトナム人が起用された。

トラン・アン・ユン監督はこの映画がデビュー作で、カンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞した。そして主演トラン・ヌー・イェン・ケーはこの映画の後にトラン・アン・ユン監督の配偶者となった。のちの作品では、トラン・アン・ユン監督作品に必ず出演している。

youtu.be

 

『フル・モンティ』The Full Monty

1997年 英国/アメリカ合衆国 91分

かつて鉄鋼業で大いに栄えた、イングランドのシェフィールド。しかし今では不況の嵐が吹きすさび、失業者があふれていたのだ。鉄工所を解雇された6人の男たちは一攫千金を狙い、男性ストリップショーを企画するのだが…

愛すべき6名の男たちであるが、実はイケメン・マッチョはいなかった。運動神経に問題があったり、体形に問題があったり、何やら微妙な顔ぶれである。しかも家族関係に問題を抱えるものも混ざっていて、危なっかしいのである。

ガズを演じる、ロバート・カーライル Robert Carlyle
1961年4月14日- グラスゴースコットランド出身

デイブを演じる、マーク・アディ Mark Addy
1964年1月14日-  ヨーク、イギリス出身

ジェラルドを演じる、トム・ウィルキンソン Tom Wilkinson
1948年2月5日 - 2023年12月30日 ヨークシャー、イングランド出身

ネイザンを演じる、ウィリアム・スネイプ William Snape
1985年4月17日- シェフィールド出身
1997年当時子役だった彼も大人になっています

個人的には、息子(ネイザン)と男親(ガズ)との関係がとても印象的である。年齢の差があっても、男同士の(お互いを尊重する)素晴らしい関係が描かれていると思う。最後「Out(行け!)」と、息子に背中を押される父親の様子がとても良い。もしかしたら背伸びしてるのかもしれないけど、状況を把握して大人を冷静に見てるネイザンの視線が頼もしい!

ジョークが好きで、ちょっと辛口の英国人、泣き笑いの一時間半です。幸せになれるよ。

www.youtube.com

『ラブ・アクチュアリー』Love Actually

2003年 英国 136分 英・米・仏合作

それは全く、クリスマスだから正直になってしまう人々の集まりで。そこには途方もない数の愛愛愛・・・が交錯していたのでした。行動せずに否定しちゃもったいない。伝えなきゃ分からないことが、世の中には沢山あるのです。

登場人物は大変多いのですが、全員が主人公なので説明するのが難しい。時に過去を思い出したり、未来を想像したり、どの愛にも思い入れを感じて心が揺さぶられるのです。舞台はクリスマスを迎えるロンドン。みんなの愛が同時進行でつながりあう。これは大人の群像劇か?

登場人物の関係図。一度見ただけでは分からない!

英国人は人間関係に対してノリノリ、ではない。大変慎重で、言葉の裏も考え、深く深く考えるようだ。懐に入って行く前に一時停止しそうになるところなど、日本人にも理解しやすい行動をとるのかなと思われた。一方で、ポルトガルの人々の乗りの良さと言ったら。関係ない人も、その場にいただけで関係者になるのだ!

英国の人気俳優が大挙して出演している。全部紹介できないので、4名を。

ヒュー・グラント Hugh Grant
1960年9月9日- ロンドン、イングランド出身
(ちょっとやんちゃな)英国首相を演じる

エマ・トンプソン Emma Thompson
1959年4月15日-  ロンドン、イギリス出身
英国首相の姉を演じる

ビル・ナイ Bill Nigh
1949年12月12日-  イングランド、サリー州ケータハム出身
最高の存在感!ロックンロールのレジェンドを演じる

ローワン・アトキンソン Rowan Atkinson
1955年1月6日- イングランド、ダーラム州コンセット出身
ミスタービーンなどコメディで知られている。絶妙な可笑しさで登場。

英国ってどんなところ?という想いに応えてくれるかもしれない。英国で最も人が交錯するであろう、ヒースロー空港。空港で始まり空港で終わる。愛と旅は親和性があるのかも。

youtu.be

『ノッティングヒルの恋人』Notting Hill

1999年 イギリス/アメリカ合衆国 123分 

ずばり、見終わった後、幸せになれる映画。

舞台はロンドン西部ノッティング・ヒル。旅行専門書の書店を経営するウィリアム。そこにふらりと立ち寄ったのは、ハリウッドスターのアナだった。冴えない書店の店主の日常に惹かれて行くアナだったが、そこには住む世界の違う壁が存在していた。ウィリアムの不器用でぎこちない想いの行方は?

夢見る貴女(貴方)に見てほしい。現実には「ナイナイ」状況で、やや強引なきっかけづくり。でも全ての世代の人が自分の経験をフルに思い出し、それを良い記憶に変えて行く魔術のような映画です。役柄そのまんまのアナ(ジュリア・ロバーツ)。そして一生懸命だけど何だか冴えない感じのウィリアム(ヒュー・グラント)。役柄はそんなだけど、画に入って負けないのは、ヒューの持つオーラのため。

ジュリア・ロバーツ Julia Roberts 1967年10月28日-
米国ジョージア州出身

ヒュー・グラント Hugh Grant 1960年9月9日-
ロンドン、イングランド出身

リス・エヴァンス Rhys Ifans 1967 年 7 月 22 日-
ペンブルックシャー、ウェールズ出身
めちゃめちゃ印象に残る、ウィリアムの同居人を演じる。

恋愛に悩む人は映画を見よう。そしてセリフを真似してみよう。ひとりで100回試して照れなくなったら、実戦で使ってみよう。高いと思っていた恋の壁は、案外乗り越えられるかも?

会話の中に混ざる、ちょっと皮肉な言葉の端々は、ああ英国の文化なんだなと思う。家族のディナーでも、英国人ってこんな会話をするのかなと、何とも何とも興味深く見ることが出来ます。

youtu.be

『バグダッド・カフェ』原題:Out of Rosenheim 英題:Bagdad Café

1987年   西ドイツ/アメリカ合衆国  91分(オリジナル版) 108分(再編集版)

米国ラスベガスを目指して旅行中のドイツ人夫婦。車中でケンカになり、妻のジャスミンは車を降りてしまう。しかしそこは広大なモハヴェ砂漠。辿り着いたのは「バグダッド・カフェ」。ガソリンスタンド・カフェ・モーテルを経営する、砂漠の中のさびれた一軒家だった。

バグダッド・カフェ」の女主人ブレンダは、何事も上手くいかなくて常に怒っている。夫は家出。そして、店員なのか客なのか居候なのか、何とも判別のつかない極めて個性的な人たちが、「バグダッド・カフェ」で何となく時を過ごしているのだった。

ジャスミンは、勝手にホテルの清掃や子供の世話を始める。最初は疑惑の目で見られていたジャスミンであったが、やがて彼女の存在が「バグダッド・カフェ」を変えていく。

ジャスミンを演じる、マリアンヌ セーゲブレヒト Marianne Sägebrecht
1945年8月27日- シュタルンベルク(ドイツ)出身

ブレンダを演じる、CCHパウンダー CCH Pounder 
1952年12月25日- 英領ガイアナ出身、アメリカ人

ルディ・コックスRudi Coxを演じる、ジャック・パランスJack Palance
1919年2月18日-2006年11月10日 米国ペンシルベニア州出身

カフェの店員を演じる、ジョージ・アギラールGeorge Aguilar
1952年12月31日- 米国オレゴン州出身

これは、大人のファンタジーと言うべきか。ジャスミンに想いを寄せるルディであったが、ジャスミンの最後の返事は「ブレンダに聞いてみる」。何だか良く分からないけど、メチャメチャ感動する映画。一緒に手品をする、ジャスミンとブレンダの表情と言ったら!とにかくホンワカ見て、最後に幸せになれる映画。

www.youtube.com