インファナル・アフェアは、三部作である。全容を理解するには三部作全てを見る必要があるだろう。しかし、この第一作目は単発で見ても大変な価値がある。香港のスーパースター、トニー・レオンとアンディ・ラウをひたすら見るのでも良い。今すぎない、昔過ぎない、親近感があり心揺さぶられるこの時期の香港の街並みを堪能するのも良い。脚本の秀逸さに感心するのも良い。殺人・暴力の、ギリギリの表現にドキドキするのも良い。
潜入捜査官としてマフィアに入り込むヤン(トニー・レオン)。マフィアから警察に潜入するラウ(アンディ・ラウ)。警官として苦悩するヤンと、組織を裏切り善人になろうとするラウ。この難しい立場を見事に表現する二人の俳優は、本当に素晴らしい。トニー・レオンだからできる悲しいけど微笑む表情、背負った黒い歴史を隠し通そうとするヒーローキャラのアンディ・ラウ、香港オタクでなくても、のめり込める。
贅沢なキャスティングも、ぜひ楽しんでほしい。アンソニー・ウォン(ウォン警視)、
エリック・ツァン(マフィアボスのサム)、ケリー・チャン(精神科ドクター・リー)、役者という職業の偉大さを知らしめてくれる映画だ。