マレーは長く続いた書店をたたむことになった。そして友人のフィオラヴァンテに、ジゴロをやってみないかと持ちかける。
客を手引きする(ポン引き)マレーと、ジゴロになったフィオラヴァンテは、意外な能力を発揮する。初めての顧客は医師のパーカー。そして次々に女性を虜にしてゆく。これは面白いぞ!
実は、脚本・監督・主演フィオラヴァンテを、すべて担当しているのは同一人物ジョン・タトゥーロである。イタリア系の彼は女性への接し方が上手いのであろうか、彼の意図の通りに進んでいく気がする。カッコいいのだが、決して整ったイケメン系ではない。しかし親しみやすく、どうにも離れがたい魅力がある。
一方、ポン引き・マレーを演じる、ウディ・アレン。コメディアンの印象の強い彼であるが、それを超えた素晴らしい演技である。いや全く、素のままでイケてるんじゃないかと思うほどである。
ノリノリで繁盛するジゴロ稼業であったが、ジゴロでありながら客のひとりに心を惹かれてしまい、商売が変化し始める。日本人にはなじみのない宗教問題が入ってくるのだが、これがまた重要な意味を果たしている。