ガチなカーアクションである。それが市街地で、路地で繰り広げられる。韓国の街は少し日本の街の様子に似たところもあり、それが身近な怖さを増長する。一気に見てしまう、非常にテンポの良い映画である。
通常の宅配やタクシーで運べない「訳アリ物件」の輸送を請け負う、特殊配送会社「ペクガン産業」。そこの腕利きドライバー、チャン・ウナ。社長に一番の逸材と言わせる、100%成功する女である。
賭博がらみの依頼人を請け負ったとき、配送事故が発生した。ウナのもとに現れたのは依頼人でなく、依頼人の息子であるキム・ソウォン一人だけ。そして賭博事件の捜査を担当するギョンピルは、自身が賭博の黒幕である悪徳警官だったのだ。ギョンピルからソウォンを守るため、本来の業務でない逃走を続けるウナだったのだが…
映画の内容としては、邦題「パーフェクト・ドライバー」より、やはり原題「特送」の方が似合っている。バク・ソダムでキャッチしたい邦題の意図は見えるのだが。冷徹に業務を遂行するウナだが、ソウォンに気持ちが揺らぐ様子を見事に描いている。面白い。おススメ。