先日(現地時間2023年9月8日23時11分1秒)の地震のニュースを見て、モロッコについて語りたくなった。まだ訪ねることが叶わない土地です。
1941年12月、ドイツの侵略によるヨーロッパの戦災から逃げるため、多くの人々がポルトガル経由でアメリカへの亡命を図ろうとしていた。当時ポルトガルは中立国であったのだ。フランスからポルトガルへ直接渡れる人は限られており、海路でモロッコに渡り亡命のチャンスを狙う人が、カサブランカに大勢滞在していたのだ。
かつて、パリの地で愛し合ったリックとイルザは、混乱の地カサブランカで再開したのであった。イルザは夫・ヴィクトルと共にポルトガルへ渡るチャンスを狙っていたのだ。そして死亡したドイツ兵の通行証を巡り、誰が亡命に成功するのか駆け引きが始まる。
戦時中の1942年に、進行中の戦争をテーマにロマンス仕立ての映画を作成するとは、米国とは全くすごい国である。戦争をしながら見事な映画を撮るという国力(余力?)がすさまじい。
ラブロマンスではあるものの、第二次世界大戦における国際関係と対立が描かれており、プロパガンダ的要素の含まれる重いテーマの映画である。カフェで、ドイツ将校が合唱することに抵抗して、客らがラ・マルセイエーズを合唱するところなど、自分は怖れを感じた。
もちろん、イングリッド・バーグマンは気絶するほど美しいし、ハンフリー・ボガートはメチャメチャかっこいい。それを眺めるだけでも十分に楽しめる映画だ。