建設会社社長令嬢のスジン(ソン・イェジン)と、建設工事現場で現場監督として働くチョルス(チョン・ウソン)。身分の違いを超えて惹かれあい、二人は結婚する。
しかし、幸せな生活も束の間、スジンが若年性アルツハイマーに侵されていることが判明する。病気の進行は早く、記憶が消えてゆく。自分の事すら忘れていくスジンのことを、大きな愛情で支えるチョルスであるが…
若年性アルツハイマーという重いテーマである。美しいスジンの無垢な表情が余計に病の怖さを表現する。そしてチョルスの愛は大きい、深い、尊い。現実世界で恋愛が上手く行かない人に是非見てほしい。「映画の通りに行くはずないでしょ」と思っても、セリフを反芻してほしい。一人二役でも良いから、声に出してほしい。不器用な貴方(貴女)こそ、具体的な恋愛テキストとして見てほしい。
物語の前半、ソン・イェジンは美しいのだが、それは素材に基づくもので少し垢抜けないところが残る。それが物語が進むにつれ、大変に美しくなっていくのである。それは撮影の進行に伴い、女優が成長しているのか、作成側の意図でメイクなどに工夫をしているのか。理由は分からないが、彼女の変化を見るのは趣深いのである。自分が彼女に惹かれていくのを感じる。