violet7688映画のこと

時々映画のこと

『オッペンハイマー』Oppenheimer

2023年 アメリカ合衆国 英国 180分

原爆の父と言われる、科学者・オッペンハイマーの半生。

広島の原爆資料館で、自分は大泣きした。爆風が広がってゆく様子をシュミレーションする場所がある。そこでどうにも耐えられなくなり、声を出して泣いた。ここでは展示のあちこちで泣いている人がいるから、お互いそんな人のことをそっとしておく。

ただ科学技術としての原子力利用は大切なことだと考えている。核分裂核融合もである。例えば原子力発電は火力発電のおよそ7万倍の効率がある。例え方が適当かどうか分からないが、核燃料1㎏で石油73000㎏(73t)分の発電ができるのである。自分としては(ドラえもん的発想ではあるが)原子力乾電池なるものが出来て、単3サイズの電池を入れておくと車が100万キロ走れるとか、そういうのを望んでいるのだ。そうは言っても、自分は物理の試験で0点を取ったことがあり、そのとき先生は〇も×も付けないで答案を返してきた。

映画を見ると辛いだろうと予想してたから、先延ばしにしていた。しかし、やっと見てきた。やはり辛かった。

キリアン・マーフィー Cillian Murphy 25 May 1976- アイルランド出身
オッペンハイマー役、見事だ

エミリー・ブラント Emily Blunt 23 February 1983- ロンドン出身
キティ—・オッペンハイマーオッペンハイマーの妻)役

マット・デイモン Matt Damon October 8, 1970- 
マサチューセッツ州ケンブリッジ出身
レスリー・グローブス役 アメリカ陸軍工兵隊士官で、マンハッタン計画の責任者

理論を技術的に実現したい科学者の野望が、やがて政治利用され、軍事利用されるようになる。想定される進行である。第二次世界大戦において、ヒトラーの自害によりドイツが先に降伏し、原爆投下の目標は日本になった。ああ、こんなことで決まるのか。戦後に米国で赤狩り共産党員のあぶり出し)が行われるようになり、オッペンハイマーはその疑いをかけられるのであった。

どこまで事実なのか確かめようがないのだが、日本人にとって辛い映画であるのは間違いない。事実、日本での公開が妥当かどうか議論があり、米英公開後ずいぶん時間がかかっている。見て、泣いて、憤って、考えてください。変えることのできない歴史です。

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