実を言うと「フォールガイ」にドはまり中の筆者が、ライアン・ゴズリングのおさらいのために再視聴。で、なんて素敵な映画なんだと、今更のように気付いたわけです。
「ラ・ラ・ランド」はデイミアン・チャゼル監督作品。「ラ・ラ・ランド」を見る前に、同監督の「セッション」「バビロン」を続けて見ていたため、デイミアン・チャゼル=ちょっと特殊な趣味傾向と勝手な思い込みをしていた。そのため、「ラ・ラ・ランド」をキチンと見ていなかったのだ。これは大変な間違いだった。
舞台はロサンジェルス。芽の出ない女優のタマゴ・ミア。売れないミュージシャン・セブ。大渋滞の中で出会った二人は、偶然セブの働くレストランで再会するのだ。
(ここでレストランのオーナーがJKシモンズ、「セッション」の鬼教官を演じた人、またセブが恐ろしい目に遭うのではと、見るのが怖くなる)
とにかく、ライアン・ゴズリングの芸達者なことに感心。ピアノ演奏は自前、ダンスも美しい。そして表情と眼の仕草が抜群に良い。アクション映画もいいし、文芸作品もいいし、ミュージカル映画もイケるのか。
エマ・ストーンの活動は2004年から約20年であるが、そのフィルモグラフィーの質と量は大変なものである。この映画の中でも、ドジなカフェ店員から、成功した女優まで、まさにそのものを演じきっている。素晴らしい。
売れない二人が励ましあい、惹かれあう。売れ始めると亀裂が生まれて、すれ違う。悲しみの中に妄想が錯綜し、変えられない現実を、最後に眼で受け入れるのだ。